ストーリー紹介安藤香奈は二十六歳になるOL。
知的な現代女性に愛読される月刊誌《セ・フィニ》の美人編集者として手腕をふるっている。
彼女が担当する記事のなかでも一番の人気連載『世紀末の快楽装置』では、大学助教授・恵庭史郎と組んで、現在の社会に巣くう性問題を取りあげ、読者の強い共感を得ていた。
ところが、元来が漁色家でSMに興味のあった恵庭は、美貌と才能を併せ持つ香奈にＭの血が流れていることを見抜き、彼女を貶めるべく罠を張っていたのだ。
そうとは知らぬ香奈は恵庭を信頼し、宇都魔道が主催するのSM道場“魔道館”で体験取材をすることに。
緊縛され、初めて受ける辱しめに、己のM性を目覚めさせられる香奈。
男たちの巧みな手練手管に肉体を翻弄され、逃れられないMの快楽地獄へ堕ちはじめる……。
上司、同僚、ライバル誌の記者、親友の圭子、そしてフィアンセの充輝までもが、サディスト集団の罠にはまってゆく。
悪魔のような好色博士・恵庭史郎がマゾ治療と称して次々に繰り出す巧妙な調教計画にマゾ奴隷と化す香奈。
香奈に転機は訪れるのか? どんな結末が待っているのか?登場キャラクター安藤香奈あんどう かな頭脳明晰な人間二十六歳、大手出版社・光集館の編集者だ。
清楚なファッションに身を包んでいるが、インテリ女には珍しくいい身体をしている。
背中までまっすぐ伸びた光沢に濡れ輝く黒髪もいい。
強いこしがあり、それでいてすべすべして柔らかそうで、日本女性としては最上質の髪の毛だ。
豊かな黒髪とよくマッチする、きりっとした現代的な眉毛。
鼻筋はスッと優雅に貴族的に伸びている。
二重瞼の目はあまり大きすぎず、顔全体のバランスとよく釣り合って、濃い瞳の虹彩がセクシーに憂愁を物語る。
いわゆる細面で一見クールな印象だが、それなりに頬のあたりは柔和な丸みがある。
笑うとそれがふっくらと盛りあがり、真っ白い八重歯がこぼれてファニーフェイスになるのも、男心をくすぐる。
恵庭史郎えにわ しろう社会心理学者でR女子大教授。
年は四十三歳。
眉は濃く、くっきりした目と引き締まった唇は知性を感じさせる。
黒々とした髪をポニーテイルに結び、お洒落な口髭を生やして、イタリア製のスーツを堂々と着こなしている。
宇都魔道うど まどう年齢、経歴などは不詳。
五十歳くらい。
頭は禿げかかって唇が分厚く、いかにも好色そうな顔つきである。
上背があり土方仕事で鍛えたような、日焼けして強健そのものといった体つき腹はでっぷりとせりだしている。
第一章ではジャージー姿毛むくじゃらの手肉体労働で鍛えたらしき筋肉隆々の偉丈夫。
せりだした下っ腹。
詩織牝奴隷の一人。
二十二歳。
挑発的な黒いレザースーツのその女は、現在、宇都の一番のお気に入りで、小柄だがすごいグラマーだ。
詩織は一見、緊縛や浣腸とはおよそ無縁そうな、愛くるしい顔立ちである。
化粧っ気がなく、綺麗な肌をして目鼻立ちも整っている。
竹内充輝（香奈の恋人）大手電機メーカー創業者一族の次男坊。
付属の研究所で半導体開発の研究をしている。
元ラガーマンであり、優しい性格に似合わず外見は精悍そのものだ。
