……両親が蒸発した。
まだ学生の僕を残してだ。
僕の手元に100万円程の現金、それだけを置いて土地・家・家財のすべてを売却してしまっていたのだ……そんな風に僕が呆然としていると、僕の親戚……母さんの従妹の千鳥叔母さんが『うちにいらっしゃい』そう言ってくれた。
正直なところ、願ってもない申し出に、僕は二つ返事で居候を決めたのだった。
叔母の家は料理屋をやっている。
元々由緒正しい店らしく、叔父が若くして他界してからというもの叔母が女でひとつで支えてきたらしい。
さて、久しぶりに会った再従姉妹達は、すこぶるの美少女になっており、そんな彼女達に親しげにされた僕はすっかり舞い上がっていたかもしれない。
しかしその晩、叔母はとんでもないことを僕に言ってのけたのだ!「決めた! 祐一さん、あなたウチの娘の誰かと一緒になりなさい!」もちろん彼女達の同意さえあれば婚前交渉OK! なんなら子供が先でも構わない!で、ゆくゆくはこの店を継いで欲しいと言うのだ!確かに叔母に直々手を出されるのも困ってしまうが、いくらなんでもそんな急に……しかし叔母は学校に通いながら、店の修行をする事をさくさく決めてしまい、半ばそれはこの家に住む事の条件にされてしまったのだ…ぼ、僕に選択の自由は無いのかーーーっ!?……しかし改まって従姉妹達を見ればやはりどの娘も飛び切り可愛いし、僕にすっかり懐いていてくれる。
おまけに叔母の公認付きとなれば!……僕に手を出さないでいる自信は……あまり無いかもしれない。