■ストーリーファンタズマゴリアへの誘いマナ……すべての生命の源…魂を浄化する素。
人々はマナから生まれ、そしてマナへと還る。
マナは浄化され、再び新たな魂へと輪廻する。
マナは世界で定量であり、生命はその限界を越えることはない。
世界は一定の秩序のリングによって保たれていた。
ファンタズマゴリア…それがこの世界の名前である。
家族を二度失った少年がいる。
少年の名は、高嶺悠人(たかみね・ゆうと)。
そして飛行機事故に遭いながらも、奇跡的に命を取り留めた義妹、高嶺佳織(たかみね・かおり)。
血の繋がらない二人は、身寄りもなく、寄り添いながら現代を必死に生きていた。
互いの小さな気持ちをしまい込みながら…。
秋月瞬(あきつき・しゅん)という少年がいる。
悠人が高嶺家に養子に入る前、佳織の兄のような存在だった。
歪んだ愛情を抱き、強い独占欲から、悠人の存在を決して認めない。
悠人と瞬は、佳織を中心に憎しみ合っていた。
それでも悠人と佳織は、友人たちとの生活を、変わらない日常を送っていた。
しかし、少しの不幸と、少しの幸せの日々は終わりを告げる。
悠人の前に倉橋時深(くらはし・ときみ)と名乗る巫女が現れる。
悠人の眼前は真っ白になり、意識が薄れていく。
薄れていく意識の中に、声が聞こえる。
「代償を支払うときがきた……奇跡の代償を」意識を取り戻した悠人。
力が抜け、自分の体がまったく言うことを聞かない。
空を見上げると、いやに青白く大きな月が浮かんでいる。
空に光が走り、純白の翼を持つ蒼い髪の少女が、悠人の前に降り立つ。
その少女は、冷たい眼差しで見下す。
「…ラス…リゥクライ、ラーン? リィ、フロウ…ハイ・ペリア……」少女は聞いたことのない言葉で語りかける。
悠人の意識は再び遠のく。
少女は無表情のまま悠人を抱え、その場を飛び去っていく。
光の翼を羽ばたかせて……。
スピリットという少女たちがいる。
永遠神剣と呼ばれる究極の力を持つ剣を、握るためだけに生まれてきた存在。
スピリットたちは人間の、マナを奪い合う戦争を代理していた。
少女たちは皆…強く、美しく、そして儚い。
エトランジェと呼ばれる少年がいる。
少年の名はエトランジェ・ユート。
佳織を救うために、スピリットたちと戦乱の大地と化したファンタズマゴリアを戦い抜いていく。
現代世界へと還る方法を模索しながら。
犠牲を支払わなければ、なにかを得ることができない世界。
少年の持つ永遠神剣が切り開く未来は……。
永遠神剣と、スピリットたち、そしてエトランジェたちの壮絶な戦いが幕を開ける。
■システムゲームは、主として「戦略」「戦闘」「ADV」の3つパートから構成され、これらのパートを繰り返しながらプレイを進めていく。
「戦略」パートでは、部隊を率いて敵地に攻め込んだり、拠点の各種施設の拡充など「戦闘パート」の準備を行う。
「戦闘パート」は味方部隊が遭遇した敵部隊と戦闘を行う。
各部隊は基本「アタッカー(攻撃担当)」「ディフェンダー(防御担当)」「サポーター(支援担当)」の3人で構成され、それらを吟味しながら戦闘を進める。
なお戦闘でキャラクターが倒されると死んでしまい、生き返ることがないため、非常にハードだ。
最後の「ADV」パートはキャラクター同士の会話を楽しみながら、時折提示される選択肢の選び方によってストーリーが変化していく。
このように「骨太の戦闘システム」を組み込んだ「エロゲーとしては異質」の本格的なシミュレーションなだけに、非常に遊び応えのあるゲームになっています。
■キャラクター【高嶺悠人】(声優:紫月澄人)武器:永遠神剣・第四位「求め」本編主人公。
現世から「ファンタズマゴリア」に召喚され、ラキオス王国の「エトランジェ(異人)」になった青年。
神剣の使い手となり、スピリット隊を指揮する。
両親を二度亡くしており、残された幼い義妹・佳織とマンションで二人で暮らしている。
佳織に対して、強烈な使命感と責任感を持っており、突然、連れて来られた異世界のラキオス王国に最愛の義妹を人質に取られ、やむなく戦いに身を投じる。
性格は意地っ張りで不器用、あまり感情表現がうまくない。
「ここは……あの光の柱は…、俺はどうしちまったんだ。
ここはどこだ?」【高嶺佳織】(声優:乃田あす実)主人公の二つ下の義妹。
両親と乗り合わせた飛行機が事故に遭い、彼女だけが奇跡的に助かる。
以後、主人公と二人で暮らすようになる。
全てを投げ捨てて、自分のためだけに生きるようになった主人公を心配しつつ、いつしか恋心を抱くようになってしまうが、その気持ちをグッと堪え、妹として振舞っている。
突然、主人公と共に異世界へと連れて来られ、ラキオス王国に囚われる。
そして、エトランジェの主人公を操るための人質にされる。
内向的で大人しい性格。
人見知りで泣き虫。
しかし意外にしっかりしている。
「あ…お兄ちゃん……ううん。
なんでもないよっ! がんばってねっ!」【アセリア・ブルースピリット】(声優:清水香)武器:永遠神剣・第七位「存在」ラキオス王国所属。
青い瞳と、水色の髪のブルースピリットの少女。
物静かで、感情の起伏がほとんどない。
それは神剣に魂を食われ始めているためだが、主人公と出会い、徐々に人間性を取り戻していく。
出会った当初は、「戦うこと」が自分の存在意義だと頑なに信じ、同じ仲間のスピリットととも話さず、暗い部屋で神剣を抱きかかえながら座り込んでいる、という風変わりで近寄りがたい雰囲気の少女だった。
戦闘においては攻守に万能だが、高い攻撃力を誇るアタッカー向きのスピリット。
「ユート、ユート、ユート……うん、覚えた。
わたしはアセリア、ブルーアセリア…」【エスペリア・グリーンスピリット】(声優:カンザキカナリ)武器:永遠神剣・第七位「献身」ラキオス王国所属。
緑の瞳と、茶色の髪のグリーンスピリットの少女。
献身的で優しく、自己犠牲の精神の持ち主で、自分の存在理由は「人に対して尽くすこと」と考えている。
ラキオス王国のスピリットたちのお姉さん的な存在で、まとめ役として主人公をサポートしてくれる。
主人公と共に行動するようになって、徐々に主人公に惹かれていくが、それを表に出さず、あくまでも主従として貫こうとする。
「わたしはスピリットです…。
ユートさまとは釣り合いません」【オルファリル・レッドスピリット】(声優:大野まりな)武器:永遠神剣・第八位「理念」ラキオス王国スピリット隊所属。
幼い外見、黒い眼とピンクの髪をもつレッドスピリット。
敵となるスピリットを倒し、殺すための教育を受けており、敵を殺害することに罪悪感はない。
しかし主人公と出会い、そうした自分の感覚に違和感を覚え始め、主人公から道徳を学び知っていく。
主人公よりも年下で、同年代の佳織とは打ち解けあい、仲良くなる。
佳織から親というキーワードを教えられ、主人公を「パパ」と呼ぶようになる。
性格は明朗快活で天真爛で、好奇心も旺盛。
「…カオリ寂しそうだったよ…。
パパは会いに行ってあげないの?」【ウルカ・ブラックスピリット】(声優:橘裕美)武器:永遠神剣・第六位「拘束」主人公の所属するラキオス王国と敵対するサーギオス帝国の遊撃部隊。
戦場では「漆黒の翼ウルカ」と恐れられている。
性格は生真面目で、寡黙。
自分を「手前」と呼ぶなど武人然としている。
神剣に魂を取り込まれているが、その症状はアセリアよりも重い。
「ユート殿。
手前は……ここにいても良いのでしょうか?」【レスティーナ・ダイ・ラキオス】(声優:三本木彩響)ラキオス王国の第一王位継承者。
父王の強引な政治に疑問を抱いており、大陸の平和が来る日を待ち望んでいる心優しき王女。
主人公の妹を人質にして、主人公を戦わせようとする父王の横暴に強く反対の姿勢を貫くが、思いは伝わらず、主人公に対して非常に後ろめたい思いをしている。
彼女の政治的手腕は非常に優秀で、国民からの期待も高く、他国からもその才能を危険視されている。
「ユートよ。
スピリット隊を率いて出撃せよ。
敵国のスピリットを殲滅せよ」【倉橋時深】(声優:鳩野比奈)主人公たちをファンタズマゴリアに召喚した謎の巫女。
普段は威厳高く見せているが、意外にぐうたらで子供っぽい。
「お水、おいしいですか? ふふ…いつもこの時間に寄って下さいますね」【岬今日子】(声優:山本直子)武器:永遠神剣・第六位「空虚」主人公と光陰の親友。
クラスも一緒だった。
佳織のことは実の妹のように可愛がっており、佳織からも頼りになる姉のような存在として慕われている。
あけっぴろげな性格で、明朗快活。
親友の二人に対しては気心が知れているためか、容赦がない。
主人公らと共にファンタズマゴリアに召喚され、マロリガン共和国のエトランジェとして戦いを強要される。
そして彼女は悲しい運命に翻弄されることに……。
「悠のシスコン~。
ほら佳織ちゃん、こんなシスコンくんの近くにいちゃ危ないよ?」【ヨーティア・リカリオン】(声優:本条真琴)大陸一との呼び声高いエーテル技術の研究者。
サーギオス帝国にある「ラクロック研究所」にて次々と新技術を生み出し、同国の急成長に大きく貢献したと言われているが、上層部との意見の食い違いから帝国を追放され、現在の所在は不明。
天才の名を欲しいままにしているが、普段の彼女はずぼらで、挑発されればすぐにノッてくるようなお調子者。
「真実とは常に失望と共にある」が座右の銘。
「おい、ぼんくら! 変換施設の効率あげといたから、はやく勝ってきなよ」【秋月瞬】(声優:釼持成行)武器:永遠神剣・第五位「誓い」裕福な家庭に育ち、成績優秀で、運動も抜群の青年。
何故か主人公を憎悪し、その義妹・佳織に対して異常な執着を見せる。
性格は非常に攻撃的で、冷徹。
主人公らとともにファンタズマゴリアに召喚され、サーギオス帝国のエトランジェとなり、その優秀さゆえに、帝国における地位も着実に築いていく。
「スピリットなど消耗品にすぎない。
殺してしまえばいい」【碧光陰】(声優:間寺司)武器:永遠神剣・第五位「因果」主人公と今日子の親友。
碧遠寺(りょくおんじ)の住職の息子。
普段のナンパな振る舞いから、軽い性格と思われがちだが、非常に思慮深く、精神的にもしっかりしている。
今日子と付き合っているが、彼女の気持ちが本当は主人公に向いていることも知っている。
それを知っていてもなお、彼女のへの気持ちを違えず、見守っている。
しかしながら、年下の女の子が好きという性癖はいただけない。
主人公らと共にファンタズマゴリアへと召喚された彼は、マロリガン共和国のエトランジェとして、愛ゆえに望まぬ戦いに身を投じる。
「…まったく。
おれの物分かりの良さは、もう病気だな」