僕の名前は“吾郎”。
母さんは小さい頃に亡くなって、今は父さんと二人暮らし。
その父さんは学者なんだけど、今度研究が認められて英国の「ケンブリッド大学」に客員で招かれることになったんだ。
おかげで僕は一人暮らしに。
日本に残ったのは、幼馴染の“莉奈”ちゃんと離ればなれになるのが、なんとなく嫌だったからかな。
莉奈ちゃんはお隣の女の子で、幼稚園からずっと一緒。
彼女というよりは“親分”みたいな感じ。
怒りっぽくて、いろいろ命令してくるし、面倒ごとは押し付けてくるし……。
でも僕にとっては必要な存在なんだ。
そんなある日、英国の父さんから「知り合いの教授をしばらく住まわせてほしい」という連絡があった。
どんなお兄さんだろうと期待してたらやって来たのは、“綾”さんという若い女の人だった！　生活能力ゼロの綾さんは傍若無人な振る舞いでまるで女王様のよう。
美人でプロポーション抜群なもんで莉奈ちゃんも敵視するみたいになって……この先どうなっちゃうんだろう!?

？？？どうして、こんな事になったんだろう？？？ 僕の名前は吾郎、母さんは幼い頃に亡くなって、父さんと2人暮らしだった。
そう、過去形。
別に父さんまで死んじゃった訳じゃない。
そこまで不幸な星の下には生まれてない……と思う。
僕の父さんは学者をしていて、この間の研究が認められてケンブリッド大学に客員として招かれているんだ。
おかげで僕は独り日本に残っているんだけど……日本に残ったのは、なんとなく莉奈ちゃんと離れづらかったからかな？ 莉奈ちゃんは、僕の幼なじみでお隣に住んでいる娘の事。
幼稚園からずーっと同じクラスだったりして……これは運命みたいなものか？と感じ始めていた。
でも、莉奈ちゃんはちっとも彼女って感じじゃない。
どっちかというといじめっ子だ。
彼女はとにかく怒りっぽくてすぐにゲンコツがでるし、両親が不在の僕に「ついでにわたしのお弁当も作って♪」なんて言い出してるし…… そんなある日、英国に出張中の父さんから手紙が来た。
父さんが向こうの大学で親しくなった教授が、来日すると言う。
その人は日本人なんだけど、生まれてこの方ほとんど英国で過ごしているので、こっちに知り合いがいないらしい。
で、どうせ僕しかいないんだからと、来日中はうちに住んで貰うことになったと言う。
教授と言ってもかなり若い人らしく、僕はちょっと安心した。
以前から頼りになるお兄さんが居たら良いな～って、思ってたんだ。
しかし……予定日に我が家へ現れた「教授」は、なんと綾（あや）さんという女の人！？ ……聞いてないよぉ！？一緒に出迎えた莉奈ちゃんにも睨まれるし（彼女は「いい男だったら口説いちゃお♪」とか言ってたのだ）。
すると、綾さんは僕が父さんの息子だと認識するやいなや、いきなりぎゅ～っと抱きついた！？ お、欧米式の挨拶だよね？ これ！？