主人公「佐倉祐司」は、両親との旅行中事故にあい……病院のベットで意識を取り戻した。
両脚と右腕を骨折し、自由が利かない主人公を、「日下部綾」という看護師が世話をしていた。
綾は主人公に、両親がその事故で亡くなったことを告げる。
絶望の底に沈む祐司。
そんな彼の病室に、ひょっこりと現れた女のコ「ネリ・パサイ」。
病人とは思えないほど活発で愛らしいネリの姿に、病床の祐司は慰めを見出す。
しかしネリと共に院内を見てまわり、違和感を覚える。
見れる範囲の様子から推察すると、この病院は人里はなれた山奥にあるらしい。
建物は古い洋館のようだが、豪華なつくりで医療設備も個人病院とは思えないほど充実している。
そして、祐司とネリ以外に、院内を歩く患者の姿を見ないことだった。
ある日祐司は、いつもと同じようにネリと共に病院の中庭へ行く。
そこで見たのは三人目の入院患者、「三好玲子」だった。
彼女はこの病院のVIP患者らしく、祐司やネリが居るのとは別の病棟に暮らしているらしい。
そこで祐司は何度となく話しかけてみるが、玲子は誰にも心を開こうとはしなかった。
ある夜、寝付けずに病院内をウロつく祐司は、診察室で話をしている玲子と医師の鈴木、綾の会話を立ち聞きしてしまう。
玲子は内臓に重い疾患をかかえていて、一度手術を受けたものの失敗、日々迫りくる緩慢な死を、じっと待つしかない状態だった。
