本作品の主人公(プレイヤーキャラ)である新興投資銀行ハイボルテージの社長・奥山大地が、突然、妻子殺しの容疑で逮捕、投獄される。
獄中で大地は、自分が投資していた新型の抗インフルエンザ薬・ザナミフルに対立するタミビル陣営が、既得権益を守るために、自分の妻子を殺してその罪を自分に被せ、自分を社会的に抹殺したのだろう、と推測する。
大地は、巌窟王さながらに、自分をはめた連中への復讐計画を練り始める。
大地は、タミビル陣営の中で自分をはめた主犯格は、外資系投資銀行マーカスヘンリーの日本支社本店頭取・藤村孝雄、東横理科大病院院長・河野宏、民自党厚労族の首領・佐々木源蔵の三人と推測する。
どいつも、人を人とも思わず、患者や病院や薬は皆、自分たちが肥え太るための金の成る木、としか思っていないような悪人どもである。
出所した大地は、藤村・河野・佐々木の三人の娘たちが同じ超高級ゲーテッドタワーマンションに住んでいる事を知り、全ての過去を捨てて前川陸と名乗り、そのタワーマンションに見習い執事として潜り込む。
そして、陸は、藤村孝雄の娘でマーカスヘンリーのエリート銀行員・藤村綾香、河野宏の娘で女教師にして在野の医療経済学者・河野紗季、佐々木源蔵の娘でお金持ち大学の女子大生・佐々木佳音の三人の兼任執事に就任する。
陸は、藤村孝雄たちを陥れるための情報を娘たちから入手して、タミビルとザナミフルという二つの抗インフルエンザ薬にまつわる薬害疑惑などの様々な情報を、うまく操作していきながら、同時に三人の娘たちも落としていく。
こうして、悪に復讐するために自らも悪になった男の物語が始まる。
薬害疑惑などの悪を告発する事での正義は、ここにはない。
この物語においては、正義が悪を駆逐するのではなく、悪が悪を駆逐するのである。
これは、欲にまみれた悪人たちの生き残りを賭けた、命懸けのサバイバルゲームを描いた物語である。