大正時代末期、人里離れた洋館を舞台に生きることを諦めた男と心を閉ざした少女が織り成す耽美な世界…時は大正末期。
日本最大財閥の一つ、三輪家の三男坊である光太郎は生まれつき体が弱く、白髪に紅い瞳という特異な姿を忌避され、人里離れた別荘で療養と幽閉の日々を過ごしていた。
彼は生きることを諦め、梅雨が明け蝉の声がこだまする頃、彼の元に一人の少女が侍女としてやってきた。
どこか陰りのある瞳を持つ少女の名は…桜庭美夏。
夜、彼女は光太郎の部屋に現れ告げる。
「私は夜伽に来ました。
それが私の仕事です。
」そして…二人の新しい生活は始まった。
残り少ない命、彼は美夏とどう生きていくのか…。
純なる愛を育み生きる希望を見出すのか?それとも、背徳的で歪んだ愛の淵に堕ちるか?