そこは世界に唯一つ存在する広大な大陸に大小様々な国家が存在する遠い世界。
人間達が治める小国『アステリア』と、オークやゴブリンなど亜人と呼ばれる異形の者達が支配するアステリアの隣国『ラザスカ』は、300年以上もの間互いを滅ぼそうと戦争を繰り返してきた。
ある時はアステリアの誇る騎士団がラザスカに攻め込み、またある時はラザスカ軍の侵攻にアステリアが耐え、やがて決着の付かない争いで磨耗した国力を回復する為にどちらともなく休戦を申し込み、戦禍が癒えれば再びどちらかの国が宣戦布告する───。
そしてアステリア暦1789年。
第三十六次アステリア神征軍が編成され、亜人の王国に向かって侵攻を開始したのだった。
だが、アステリアの守り手たる彼等は知らなかったのだ。
長く続くその戦乱が、全てアステリアの国政官達によって仕組まれた『契約戦争』だなどとは。
誇り高き騎士達はアステリア神教の為、愛する者を亜人たちから守る為、自らの誇りの為にラザスカを目指す。
自分達の振るう刃の正義を信じて───。