俺は現在付き合っている志穂とは最近あまり上手く行っていない。
そこでグルメを自称する彼女を悦ばせて仲良くなれれば……、そう思って森の中にあるというレストランへと訪れた。
ムーディーな雰囲気漂うレストランの内装に、やや戸惑いながらも、高級な料理に舌包みを打ちながら、愛する彼女と一緒に過ごす時間を楽しみにしていた。
しかし椅子に腰かけた途端、俺と彼女は椅子に拘束された。
何が起こっているのか分からず、目を白黒させていると「どうぞ落ち着いてください。
こちらはお客様にじっくりと腰を押しつけてお食事していただくための装置でございます」と支配人がゆったりとした口調で説明する。
悪夢の始まりだった。
―――「一話 プロローグ」より