“陽介”は、一年前大学進学の直前、幼馴染で彼女だった“日向雪乃”を自殺でなくしてしまい、その傷が癒えぬまま一緒に通う予定だった大学に入学。
事件のショックで無感動症になってしまった彼は、以前とは別人の排他的な性格になってしまう。
それから1年。
陽介は、大学の若い助教授“香澄”と身体の関係になっていた。
最初はただのカウンセリングから始まった関係だったが、次第にその肉体だけの関係におぼれていく主人公……だが時期を同じくして、悪夢に悩まされはじめる。
見ているはずもないモノ……、雪乃の死の光景……、そして彼女の首に掛かる男の手……、割れたガラスに映る自分自身の顔……。
“ひかる”に……ほかの女性に重なる雪乃の顔……。
悪夢にうなされながら、心の内側が徐々に腐っていく自分を止めることができなくなってしまう。