前作「淫内感染」から数年後……エリート医師の坂口晃にとって、それは最初、漠然とした微かな夢とも希望ともつかないものであっただろう。
いつか、自らの手で大病院を 経営しその頂点に上り詰める……高い能力を買われ、城宮総合病院にやって来たのもそのためだったとはいえ、それは遥か遠い先のことのように思っていた……それが、今すぐに、手の届くような近い将来に、現実に手に入れられると知った時、人はどこまでも残酷になれるのか……坂口は奴隷を持っていた。
そのきっかけは成り行きだったが、そのとき彼は何かを悟ったのか、それとも何かが壊れてしまったのか……堰を切ったように、弘子ら看護婦たちや真奈美、江美子を次々と奴隷化していった。
最後には城宮総合病院の理事長であり院長でもある男の一人娘、明日香もその手に入れた……そして、坂口の狂った野望はささやかながらに満たされた……、はずだった……台頭する副院長派……、これが坂口の新たな野望の始まりだった。
密かに院長と近い立場にいる彼は、自分の野望の前に立ち塞がる敵――副院長派――を追い落とすため、自らの野望を達成するため、また新たに城宮総合病院の女たちを、その欲望に巻き込んでいく……それは坂口自身が望んでいたことなのかもしれなかった……