喘息持ちで、現在、失業中のフリーライターの主人公が、病気療養のため「湯殿ヶ淵」の温泉旅館にやってきた。
この温泉街は、マニアの間で隠れた名湯として評判だ。
主人公が宿泊している「仙水館」は、情緒ある老舗の温泉旅館で居心地もよく、女将も若くて美人で、そんでもって料理も美味い。
ゆっくりまったり、旅館に訪れるOLや女子学生達と楽しく温泉療養を決め込んでいた主人公。
しかし、旅館近くにある柊の並木の中で、変死体が発見されたことで、平穏無事な療養生活に終止符が打たれることに。
早速、旅館の女中“野々村美咲”を助手に、探偵の真似事を始めた主人公。
色々と調べていくうちに、この温泉街には昔から伝わる「妖怪伝説」があることを知るのだった。
そして、「柊坂」という遊歩道のある坂道をのぼりきったところにある、今は空き家だという古い洋館の存在。
これらが、今回の事件の鍵になると踏んだ主人公は、本格的に調査を開始するのだったが……。