最上 盛幸（主人公）は「米倉病院」の理事長兼院長。
年齢は51歳。
医者としても、院長としても信頼される彼には大きな悩みがあった。
それは、当初は後継者の問題だった。
最も信頼する女性スタッフ、同病院の産婦人科医・雪花に後継者の座を譲ることも考えたが、盛幸を忌み嫌う男を夫を持つ彼女には譲れない。
また盛幸が選んだ男を溺愛する娘・真幸の婿に迎えて後継者にする案は、真幸に悪い虫が付きまとうようになったことから頓挫した。
そうしたなか、盛幸の中でその後継者問題と同じかそれ以上に、自分の愛する女たちの産む子供が自分の血を色濃く受け継がなければならない――、という狂気に満ちた思想に囚われ始め……。