ここ数年「雪乃」はその身体を持て余していた。
すでに夫とのセックスレス状態の生活が、もう二ヶ月も続いているのだ。
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夫は会社が忙しく、建てたばかりの一軒家の住宅ローンの事もあって、妻とのセックスは後回し状態。
結婚するまで処女だった雪乃は、他の男と浮気など考えもせず、ただストレスを溜めるばかり……そんなある日、娘の「恵美」が彼氏を自宅に連れてくる。
恵美は彼氏じゃないと否定するが、どう見てもいい仲なのはバレバレ。
微笑ましく思うも、自分は夫に放って置かれている身と考えると、正に上り坂と下り坂という感じで気が滅入ってくる。
ところが、恵美は彼氏を置き去りにして、アルバイトに行ってしまう。
取り残され、すっかりしょげてしまっている彼氏を見やるも、初々しい彼にむくむくと悪戯心が芽生え始める雪乃。
リビングのソファーに彼「木下」を腰掛けさせ、改めてお茶を出す。
からかい半分で「どうしたの?」と聞くも、彼女の部屋に二人きりと言うシチュに、つい抱き付いてキスをしてしまったらしい。
気まずい木下を言いくるめ、続きを話させるせる雪乃。
そして恵美の胸に触った途端、ビンタをお見舞いされ……と言うことらしい。
生真面目な恵美らしい、と笑う雪乃。
「木下クンに足りないのは、女の子への気配りかしらね?」妖しくそう微笑む雪乃。
ちょっとだけなら……その時はそう思っていた。
「わたしを恵美だと思って……ね?」木下の隣に密着して腰掛ける雪乃。
「まずは……女の身体に馴れる事かしら?」心の中で恵美と夫に詫びるも、あくまで彼のお勉強のためなのよ? と大義名分を唱える雪乃だったが……。