魔神と人間の血を受け継ぐリウイ・マーシルン。
迫害による母親の死、解放と称した人間族の勇者に土地を奪われ、決して復讐を許さなかった父・魔神グラザも倒された。
リウイは故郷メンフィルを滅ぼすため闇夜の眷属を率いて残虐の限りを尽くすことを誓うが、彼の前に立ちはだかったのは、人間としてのもう一人の自分だったことを感じた。
彼は幼少時代、メンフィル王国の街で母親と細々と暮らしていた。
しかし、魔人病に冒された時にささやかな幸福が迫害へと変化し、息子を連れて未開の森へ逃げ落ちた母親も力尽きてしまった。
しかし、そこにはもう一人母の死を見取った者がいた??リウイの父にあたる魔神グラザである。
魔人病を克服するためには魔族として生き長らえなくてはならないことを幼いながら理解していたリウイは、魔神グラザの元で鍛錬と復讐の野心に明け暮れた。
人間に対する憎悪の転機となったのが、人間族との干渉を嫌った父が、飽くなき名声を欲するままに乗り込んできた人間の勇者によって殺された事件である。
これによって、リウイ自身が母親から受け継いだ温もりとこれから出会う愛情との葛藤に苦しみながら、闇夜の眷属を率いて大きな戦いに挑まなくてはならなかった・・・。