主人公“沢村司”はわりと孤高な青年。
家族の温もりを知らぬまま世間の冷たい風に当たってきたせいで、少しばかり排他的な人間になっていた。
そんな司がある日、路地裏で一人の行き倒れの少女を拾った。
彼女はチャイニーズ……言葉も通じない。
司の提唱するところの「最も関わり合いになってはならない」タイプだった。
だが司は、その少女……“春花”と同居生活をする羽目になってしまう。
それをきっかけに、司の周囲に集まる問題ありげな人々。
彼らの共通点は……「家族の欠落」。
――やがてこの集団は、余儀なく共同生活を強いられてゆく。
――家族計画――それは赤の他人同士が生きるために結束する、互助計画。
モラルも考えも嗜好も異なる、噛み合わない歯車のような彼らの行く末に、果たして幸福はあるのだろうか?