例えば人気のない公園の暗がりとか……、例えば誰かが飲み残したソーダー水の泡の中とか……、そんなありふれた場所に“妖獣”たちは潜んでいる。
そしてジッと息を殺して、清らかな乙女の白い肌を狙っている!■ビア・ギャロップへようこそ![scenario.2]忙しいファミレスの午後。
アルバイトの女の子はテーブルの片付けにてんてこ舞い。
「ああ~ん、いつまでたっても終わらない」。
ふと見ると、さっき帰ったお客さんが残したソーダ。
これって、全然減ってない? もったいないと思いつつも捨てようとしたとき、ソーダの泡がブクブク……。
泡が入り込んで巨大化したストローが、女の子の体に絡みつく。
「いやぁっ! ヤメテーっ!」■ウイッチの袂[scenario.3]「…イム、サダラハ、ソトンクスタル……我は求め訴えたり……汝、魔界より目覚め…我の僕とならん事を…」――女魔導師は詠唱する。
それは魔物を召還し、使役する呪文。
そして現われいでたる禍々しき魔獣。
「…うふふふ……さあ、たった今からあなたの主はこの私よ…」――しかし魔獣はダルそうに言った……「…ったく…人間の分際でこの俺を呼び覚ますとはな…」。
女魔導師に迫る魔獣――「…お望みどおり出てきてやったんだ……楽しませてもらうぞ!」