天界へ勇者の魂を誘う役目を持ち、自らも戦の最前線に赴く戦乙女ヴァルキリー。
そのヴァルキリーの中でも、別格の地位と力を持つ者、「ブリュンヒルド」その秘密は秘匿されているが、実は、大神オーディンの血を引く娘である。
彼女は、ウルド・ベルダンディー・スクルド達の姉に当たり、天界の軍勢の中でも選りすぐりの近衛の指揮官であった。
だが、天界への突如の襲撃に、陣容を整えるまもなく、ヴァルハラ城は陥落。
ブリュンヒルド自身も、深手を負い捕らえられてしまう。
魔族に捕らえられ、自由を奪われても、その瞳は、気高い輝きを失わなかった。
その希望を捨てていない瞳は、隙を見て起死回生の機会を伺っているかのよう。
だが、その姿は、逆にロキのサド心を昂らせる皮肉な結果を生んだ。
『その、まだ強い輝きを放つ瞳を絶望の色に染め上げてあげる』他の捕虜同様に慰み者にされるブリュンヒルド。
しかし、彼女は言語を絶する拷問にも泣き叫びもせず、命乞いもしない。
勿論、ブリュンヒルドも、他の女神同様、処女神だった。
その処女を無理矢理に散らされて、苦痛や嫌悪を感じていないわけはない。
それでも、ブリュンヒルドは、その全ての感情を押し殺し騎士として、最後まで希望を捨てようとはしない。
逆に、『そんなものか?とか、たいした事ないな』などとロキを挑発する。
その冷ややかで強い心を、踏み躙りたい。
ロキの欲望が益々増大していく。
ブリュンヒルドは、内心の全てを押し殺し、この凌辱の嵐が過ぎ去るのをじっと耐る。
だがそれは、決して終わることのない嵐だと言うことに、彼女はまだ気づいていない。