時はまさに戦国の世の真っ只中。
華やか手柄をたてる武士たちがいる中で、影でそれを支える者たちの存在があった。
それは、 忍び である。
戦国の世の行方を決定づけてきたのが、忍びの活動によるものといっても過言ではないかもしれない……。
そんな中、かっては武田信玄にも仕え、確固たる地位を築き上げようとしていた忍びの一族があった。
華賀一族という。
そして、その活動範囲を広げようとしていた矢先、突然、棟梁が病に伏してしまう。
結果、華賀は急速に勢力を失っていった。
そこに目をつけたのが、華賀に隣接する斉賀の一族であった。
鬼にいぬ間にと、華賀を一気に潰しにかかってきたのである。
斉賀のあの手この手で、男どもはみな斉賀に寝返ってしまう。
しかし、どうすることもできない……。
とうとう棟梁の娘たちだけになってしまう。
そんなある日、華賀にとって致命的な事件が起こる。
巻物が盗まれたのである。
華賀の息の根を完全に止めようとする斉賀の仕業である。
巻物は忍びの一族にとって、命よりも大事なもの。
こうまでされては、もう黙っているわけにはいかなかった。
三姉妹は斉賀を倒し巻物を取り返す決意をする。
……しかし、今の三姉妹の力ではどう考えても勝算はない。
考えたあげく、ある男を呼ぶことに……。
その男は、かって華賀の忍びであり、一時は、華賀を背負って立つとまで言われた腕の持ち主。
斉賀と戦うのにこれほど頼もしい男はいない。
なのだが……。
問題はその男の女癖だった。
そのあまりの素行の悪さから、華賀を破門された男だったのである。
だが、他に方法はなかった。
そして男は戻ってきた。
果たして、三姉妹は斉賀を倒し、巻物を取り返すことができるのだとろうか…。