様々な種族が暮らすレイテトリア大陸。
この大陸には、2つの大きな国があった。
一つは人間が支配する国『スヴェルバニア』今一つはエルフが支配する国『フレルデニア』である。
かつてエルフ達は貴族と呼ばれ、人間を遥に超える能力と長寿、そして魔道の叡智により永らく世界の主として繁栄していた。
しかし、元々エルフに使役されていた人間達の一斉蜂起により独立が果たされ、大陸は分断。
それから、両国……両種族の永きにわたる対立が始まった。
そして、現在――長引く争乱に両種族達は、すっかりと疲れ果て、戦いの意義を見出せなくなりつつあった。
おびただしい血を流し続けた果てに得られるものが、それだけの甲斐があるものか……人々はとっくに気づいていた。
やがて、双方の国王は和平交渉への道を探るようになり――遂に一つの結論へと合意するに至った。
それは、過去の歴史の慣わしに用いられた血の交流。
即ち、互いの跡取りを結婚させ、血族とさせるということである。
事が急を要する中、それが実現に至ったのは、当事者たるフレルデニアの第一姫、アルスラの存在が大きい。
かねてより両種族の対立に深い憂慮の念を抱いていた姫は、自分の身が和平の礎となるのならば喜んでと、賛意を示したのだ。
かくして――大いなる大陸の分断は、この婚儀を境に再び一つへと戻り、長い動乱も終わりを告げる……そんな期待に世界は包まれていた。
そして、結婚式の開かれる前日。
エルフの姫は供を引き連れ、人間の国との国境にさしかかっていた……。
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