主人公・平田銀二はミッションスクールの用務員。
容姿は汚いが、確かな仕事と実績で、長きに渡り学園の用務員を務めてきた。
しかし、彼には裏の顔があった。
「イカせ屋」――。
まだ花開いていないうら若き乙女達の通う学園は、彼にとって格好の狩り場。
これから美しく咲き誇るであろう、可憐な蕾を花開かせることが、彼にとっての至高の悦びである。
無論、暴力や腕力等といった無粋な手段は使わない。
彼にとっての美学、それは高貴な乙女達を自ら屈服させること。
そうすることが、彼が学園に居続ける為の手段でもあるのだから。
彼には今狙っている獲物が居る。
それは学生ではなく、女教師の秋元優里子。
この学園の卒業生で、知性も美貌も兼ね備える才媛。
ときに厳しく、ときに優しく、誰に対しても分け隔てなく接する良識ある聖職者であり、学生からも他の教師等からも絶大な信頼を得ている。
そんな彼女だからこそ、銀二に対して何らかの疑念を抱いている様子。
早いうちに屈服させる必要がある。
しかし優里子は完璧な女。
そうそう隙は見せない。
ただ、一つ。
妹の優里香に関して以外は。
そう、現在優里子の妹、優里香が学園に通っている。
勿論、優里香も優里子同様、隙のない完璧な少女だ。
だがしかし、そんな完璧な姉妹であるからこそ、屈服させたときの悦びは何ものにも代え難いものとなる。
そんな折、優里香が後輩の女子に告白されている場面に遭遇する。
いや、正しくはそれ自体、銀二が仕込んだものだった。
脅しのネタなんてものは、そう簡単には転がってこないものだ。
だったら、自分から拾いに行けばよい。
『咲かぬなら、無理矢理咲かせ、花蕾』をモットーに、イカセ屋・銀二が、今動きだす。