突然の姉の死。
その事実を受け入れられず心を病んでしまった母親は主人公を姉「奈月」と思い込むようになる。
主人公もその母に合わせるままに奈月を演じ、言われるがままに母の母校である全寮制の女学園「桃百合学園」に「鷹森奈月」として編入する。
桃百合学園は有名な「お嬢様校」で、大企業の重役や政治家、官僚などの娘が多く通っており、 その中には、日本の経済界を牛耳ると言われる「神倉財閥」の直系「神倉紗耶香」もいた。
容姿端麗品行方正にして学力優秀でスポーツも万能という非の打ち所のないお嬢様紗耶香は全校生徒の憧れの的であり、 「奈月」もまた紗耶香に憧れの気持ちを抱いていた。
奈月が桃百合に編入して数ヶ月経ったある日、奈月は憧れの紗耶香に自分が男であることを知られてしまう。
うろたえる奈月だが、紗耶香は自分の言うことを何でも聞くなら誰にもばらさないと言う。
どうすることも出来ず頷く奈月に下された最初の命令は、紗耶香の事を「おねえさま」と呼ぶことだった。
紗耶香を取り巻く様々な思惑に、奈月は否応なく巻き込まれていく――。