ボクは幼い頃から、桜坂さんの家で暮らしている。
両親の離婚と、父さんの仕事がその原因らしい。
そんなボクを、桜坂家の母親“春香”さんは、娘の小春ちゃんと一緒に自分の子供のように育ててくれた。
春香ママは、ボクにとって言わば「育てのママ」だけど、優しくてとても綺麗で――ボクはママのことが大好きだ。
そして7月。
ようやく梅雨も明け、夏休みも間近に控えたある日のこと――。
一人の和服姿の美女がボクを訪ねてきた。
その女性は“八都宮秋”と名乗ると、いきなりボクを抱きしめた。
「渉、ずっと会いたかった……だって、ウチが渉を生んだんだもの」さらに翌日、戸惑うボクの前に今度は金髪の美女、“君嶋真冬”さんが現れて――。
「渉くんのお父さんと再婚したの、今日から私(わたくし)があなたのママですわ」育てのママ、生みのママ、義理のママ! ボクのママが、いきなり3人に増えちゃった! ママたちに囲まれて過ごす、ボクの熱いひと夏が幕を開けた――。