北の果ての港町「グラドヘイム」にて、ひとりの青年が長い昏睡から目覚めた。
青年は、アーネという名のひとり暮らしの女性のもとで看護されていた。
青年にはいままでの記憶がなく、アーネによって「ラルス」と名づけられる。
ラルスは自らの素性を求めて日々散策しているうちに、英雄神ヴィーザルと出会う。
そして彼が、この地に潜伏している魔狼「フェンリル」を捜していることを知る。
フェンリルは、神々にとっての最大の脅威なのだそうだ。
ヴィーザルは無慈悲な神であり、数日以内にフェンリルが見つからなければ、グラドヘイムの町ごと焼き滅ぼすと宣言する。
その計画に抗議したラルスは、ヴィーザルに完膚なきまでに叩きのめされてしまう。
武力では、ヴィーザルにはとても敵わないと考えたラルスは、ヴィーザルの率いる三人の女神に接近し、慈悲を求める。
冷酷非情な戦女神スクルド、無愛想な雷神トール、ヴィーザルを心底から尊敬しているヴェルダンディ――女神たちは、それぞれが強い個性の持ち主であり、一筋縄ではいかない。
それでもラルスは、恩人であるアーネと、グラドヘイムを守るべく、女神たちに懸命にアプローチしていく。
その甲斐あってか、彼の優しくも情熱的な心に徐々にほだされていき、ラルスに好意を寄せ始めた女神たちだったが、完全無欠の英雄神ヴィーザルを止めることは誰にもできないと異口同音に訴える。
この三人の女神と親しくなり、慈悲心をかきたてるだけではだめなのだ。
自分にゾッコンに惚れさせて、支配下におかなければならない!果たして、ラルスは町を守ることができるのだろうか!?