この僕、健太郎はついてない男だった。
やっと就職した会社が初日に倒産して落ち込んで歩いていたら、車に撥ねられ瀕死の重傷に。
痛みすら感じず、もうダメと覚悟をした時、薄れ行く意識の中二人の女性の姿を見た。
生意気そうな女の子と澄ましたメイド。
そして僕の意識は途切れた…。
目が覚めると、暖かく柔らかいベッドに寝かされていた。
不思議に思っていると、文美と名乗るメイドさんから経緯を聞かされた。
この屋敷に住むお嬢様・麻耶の運転する車に撥ねられ、屋敷に連れられて、麻耶の血を分け与える治療で一命を取り留めたというのだ。
さらに、人間ではなく吸血鬼の麻耶の血を飲んだ僕は麻耶の下僕になってしまったと言うのだ。
「下僕になったのだから一緒に住んで夫になり子作りに協力しなさい」と麻耶に言われる僕。
無職で無宿になった僕には魅力的な話。
なし崩し的に受け入れてしまった。
でも、下僕なんて言われたけど麻耶を見ていると苛めたくなってくるのは何でだろうか?こうして僕の奇妙な子作り生活がスタートするのだった。