“グトルフォス大陸”の中央に広がる“テロメアの森”。
その片隅でエノールは一人、気楽に暮らしていた。
平穏であると同時に退屈な日々。
だが、それは唐突に崩れ去ることになる。
きっかけとなったのは、川縁に倒れていた一人の女性。
エノールの介抱により目覚めたその女性は、自らを”七姫専従騎士”カタリナと名乗った。
旅の途中で賊に襲われ、“七姫”エーデルワイスと離ればなれになってしまったと語るカタリナ。
七姫の行方は杳として知れず、カタリナはエノールにある提案を持ちかける。
エーデルワイスと瓜二つであったエノールに、“七姫の代役”を頼み込んできたのだ。
そして、エノールはカタリナと共に七姫が治める”ファムスール”へと旅立つ。
七姫の代役をやり通すことができるのかという不安を胸の内に秘めて。
旅の途中に出会う義賊の姉弟、ファムスールに広がる不穏な噂。
七姫の代役を務めるエノールの元へ、次から次へと舞い込んでくる事件。
やがて、それはグトルフォス大陸全土を巻き込んで、ついには“ノルドーレンの姫”が集う“姫会議”が開催されることになり―― ・ ・ ・多くの困難をも力を合わせて乗り越えていく、エノールとカタリナ。
それを嘲笑うように、見え隠れする“魔女”の存在。
一千年の時を経て、世界は一つの結末を迎えようとしていた。