主人公は町はずれの病院に入院した。
その病院の院長の娘が運転する、車にはねられたための入院だった。
頭を強く打っており、しばらくの間、様子を見るために入院したのだった。
病院の院長はその娘の継母で、父親はすでに死亡しているらしい。
二人はすごく仲良しだ。
娘の真尋と、院長の碧子がやってきて、謝罪する。
その夜、碧子が主人公の病室を訪れ、事故の事は穏便にしてほしい旨を告げる。
治療費等は負担するという金で解決しようとするお願いにカチンと来る主人公は、とにかく家へ帰ろうとする。
が、碧子は、突然狼狽し必死で主人公を引き留める。
主人公の胸に、昼間に感じた不安が再び過ぎる。
碧子「検査の結果がまだはっきりしないんです。
できれば、もう少しここに入院をした方が……」主人公「え、突然そんな事言われても……」碧子は、精密検査の結果が出るまでは、入院していた方がいいと言う。
理由は、レントゲン写真(頭部?胸部?)に気になる点が見られるため。
現時点では、そう大げさに騒ぎ立てるものではないらしいが、主人公は、碧子の言う事に不信感を覚える。
他の病院へ行き、事故については然るべき態度で望むと息巻いて、やっぱり出ていこうとする。
碧子「それだけは許してください……」主人公「だったらそれなりの誠意を見せて貰わないとな」土下座してお願いする碧子の胸元には、深くくれたブラウスから迫り上がり、自らの両腕で形を歪めた膨らみが覗いていた。
それはゴムまりを二つ、ブラウスの中に無理矢理押し込んだように見事な弾力と張りを備えていた。
そして主人公は、無言で自らが望むものに手を伸ばしたのだった。
これは始まりでしかない。
これからエスカレートしていく自らの行動を止める理性の声はもう届かない。
もう明日、いや、たった今死んでしまうかもしれないのだ。
先の事を気にして何になる?目の前に差し出された獲物達は、ほっておくにはもったいなすぎる。
それに、卑屈に生きてきた自分が、思うまま生きる最後のチャンスでもあった。
ふと昼間に会った看護婦を思い出す。
優しくて柔らかくて、ふんわりとした笑顔が胸を締め付ける。
理想の女性だった。
しかし、明日をもしれぬ身で、いったい何ができるだろう?主人公は、この入院中に非道な行動に出るべく覚悟を決めるのだった。